パソコン好きのシニア(SITAさん)が、シニアの皆さんを教える池袋校は
笑顔と笑い声がいっぱいでした。
   
 
 
サロン風の教室はとてもゆったりしています

 池袋と言えば、東京の副都心、新宿や渋谷と並んで24時間眠らない街である。多くの路線が乗り入れている池袋駅前の煩雑さは、以前テレビドラマの舞台にもなったほど雑多な人間で溢れている。しかし、池袋駅西口の喧噪を抜けわずか徒歩8分程のところに、シニアがゆったりと語らうことのできるサロンのようなパソコン教室がある。それが富士通オープンカレッジ池袋校である。
 今年5月にオープンしたばかりのホヤホヤのOC校である。クラスは全部で5コース。その全ての授業をSITA1級の栗原昌子さんが一手に引き受けている。事務局はちょっと変わった和田久彦さん。二人の息がピッタリと合った池袋校へ着くやいなや、暑さなど吹き飛ばす程の賑やかな笑い声が早速出迎えてくれた。

 
 
インストラクターの栗原昌子さん

 この日、教室に来ていた生徒さんは4名だった。猛暑の中を愛しいパソコンに会いに来た元気シニアの4人である。ここまで通ってくる道中は大変だが、この教室に一歩入れば、そこはパラダイス!外の暑さや騒々しさとは無縁な快適なパソコンライフが広がっていた。
 インストラクターの栗原昌子先生の指示に従って、皆さん真剣な表情でパソコンに向かっている。少数の授業なので、先生の目もしっかり行き届いている。その上、栗原先生はSITA1級を最初に取得したとても優秀な先生である。これでは「授業についていけない」なんて弱音を吐いて落ちこぼれるわけにはいかないし、落ちこぼれるわけがない。

 教室に来ていた4人のことを栗原先生に聞いてみると「とにかく皆さん、パソコンをしっかりと楽しんでいますよ。この教室のムードメーカーは高間紀子さんです。理解するのも一番速いし、ミスされるのも(?)一番速いんです。とにかくその明るさで周りの方々を上手にリードしてくれて、私も助かっています。とってもいい奥様なんだなあと感じるのは三宅克子さん。はじめはおっかなびっくりパソコンに触れていましたが、いまでは入力が速くなって、他の方を待つ程の余裕が出てきましたね。三浦章さんは取り組み方に迫力がありますね。毎回、自分で納得し理解されるまでとことん質問されます。習ったことを確実に覚えているので、教えている私もびっくりです。きっとしっかり復習をしているんでしょう。山口千枝子さんは銭湯の女将さんなんですよ。さっぱりとして前向きで『下町のおかあさん』って感じがとても好きです。一度、銭湯に入りに行こうかなあと思っているんです」と楽しそうに話してくれた。

高間紀子さん
三宅克子さん
三浦 章さん
山口千枝子さん

 栗原先生に教える際、心掛けていることを尋ねた。
 「パソコンって、こんなことが出来るんだ、といったことを、1日に1つでもいいから覚えて帰ってもらいます」と。テキストに記載されいなくても先生自身が日頃使っている便利機能を教えているという。例えば、単語登録。「コミュニティセンター」と入力するのに、単語登録さえすれば、「K」と一文字打つだけで、長い長い言葉が瞬時に表示される機能である。K→Enterでコミュニティセンターが表示されると必ず驚きの声があがるという。
 シニア世代の栗原先生がシニアの皆さんを教える様子を拝見し、心の通い合った教室を始めてみた思いがした。やはり同世代の方々が醸し出す雰囲気は、一種独特の温かさを作り出しているようだ。ここ池袋校で始まったSITAさんとシニア生徒さんが共に奏でるコラボレーションは大成功と見た。

お好きな飲み物でちょっと一服。ここでも高間さんが楽しい雰囲気をリード!

 その成功を演出しているもう一人を紹介しよう。
 「池袋校の事務員さん兼用務員さん」と自称する和田久彦さんは大変ユニークな経歴の持ち主である。大学で考古学を学んだ後、青年海外協力隊として中東のヨルダンに赴き、その後も現地の大学で助手として遺跡の発掘に携わっていたというのだ。紀元前7000年前から6000年前のまだ文字も無い、初期農耕村落を専門としていた生活から一転、現在のオープンカレッジでのパソコンに囲まれた生活へと数千年もタイムスリップしているのだ。2年前に帰国されたそうだが、この数千年の差を埋めるのは結構大変なようで「パソコン知識も乏しく、インストラクーなんてとても無理」と謙遜していた。

 
和田久彦さん  

あの吉村作治教授と同じ大学で考古学を勉強。一見難しそうな顔をしていますが、正真正銘のネアカ人間。話す言葉が全ておかしい。それでいて教室運営には命を懸ける(ただし和田流で)。
モットーは「第1に生徒さんの満足。第2にインストラクターの働きやすさ。第3は会社の存続」。

 

 この池袋校の運営について尋ねると「パソコンの勉強以外にプラスαが欲しいと思い、先生と生徒が活発にコミュニケーションを取れるように、飲み物をフリードリンクにしています。イメージとしては『居酒屋パソコン教室』ってところですね!パソコンの勉強という建前上アルコールは出せませんが、インストラクターは赤のれんの女将さん。生徒さん達はそこに集う常連客。パソコンがもっと廉価になったら『ボトルキープ』ならぬ『パソコンキープ』なんてのもやってみたいですね。自分のパソコンを置き(キープ)、気が向いたらふらっと現れてパソコンの勉強をする。そこにはしっかり者の女将さん(インストラクター)がいる」とさすがに遺跡の発掘に携わっていた方だけに大変なロマンチストとお見受けした。ユニークな経歴にも納得である。

 帰路、池袋駅近くの繁華街を通ったとき、居酒屋のカウンターの中にいる和田さんと栗原先生、そしてカウンターにパソコンを並べて座っている生徒さん達を想像し、ニヤニヤしている自分に気づいた。
 是非一度、和田さんに会いに池袋を訪れてはいかがでしょう。
 きっとあなたも和田さんの大のファンになること請け合いです。