| Q. |
「介護保険制度」と補完関係にある「成年後見制度」って何?
「介護保険制度」と同時にスタートした「成年後見制度」のことがよくわかりません。
契約や財産保全のために、高齢者にとってとても大切な制度と聞きました。
この制度が誕生した背景をわかりやすく教えてください。 |
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| A. |
「成年後見制度」は、判断能力がなくなった高齢者の強い味方 |
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介護保険制度の導入によって、介護の受け方が従来の「措置」から個人の自己決定による「契約」に移行しました。しかし、この「契約」といった行為は、国民には馴染みが薄いのが現状です。
特に高齢者にとっては、馴染みが薄いどころか「契約」となると一歩引いてしまうのが実情で、ついつい身近な方に任せてしまう傾向があります。たとえば、要介護5で、本人に判断能力がなくなった場合には、家族が代理人と称して介護サービス業社との契約書にサインをする場合があります。
しかし、判断能力がなくなった方が契約をすることが必要となった場合、たとえ家族であっても、家族だからといった理由だけで契約を代わって行なうということは認められず、もし履行すれば違法となるのです。これはたびたびあるケースで、後見という制度がよく認知されていないことを物語っているといえます。
このように、介護問題を社会的に解決していく過程で、サービス方法が「措置」から「契約」へ移ったことと、判断能力が低下した場合に、その契約をどうすればよいかの問題と、超高齢化へとひた走る我が国の高齢者事情を背景として、ふたつの制度は同時にスタートしました。

判断能力が不充分な高齢者が介護サービス業者と契約したり、財産を処分したりする場合、しっかりした方がサポートしないかぎり、その高齢者はだまされるおそれがあります。
これまでにも「禁治産・準禁治産」といった制度があり、判断能力が不充分になった場合に、その方の法的権利を保護するために機能してきました。しかし、この制度は、明治時代に制定されたもので、もともとが大家族制度を前提とした制度であったため、核家族化が進んだいまとなっては、機能すること自体がたいへん難しくなってきました。申立権者が限定されているため、身寄りのない方の場合に不都合が生じたり、申し立てから決定までにかかる時間や費用の問題、戸籍への記載によるプライバシーの問題などが、活用されていない理由にあげられます。
そこで、保護を必要とする方に対しては新しい理念で対応する必要が生じ、2000年4月から成年後見制度がスタートしたのです。この制度に盛りこまれた新しい理念は、ふたつあります。
ひとつは「ノーマライゼーション」の確立です。
このノーマライゼーションというのは、たとえ高齢者であっても障害者であっても、差別することなく、可能なかぎり社会の一員として、いっしょに生活していこうという考え方です。もうひとつは自己決定権の尊重で、たとえ痴呆が進み、判断能力が衰えても、その人の尊厳をどこまでも大切にし、少しでも残存能力があるかぎり、自己決定を可能なかぎり尊重しようという考え方です。
これらの新しい理念と、それ以前からある本人保護の理念をうまく調和させて、たとえ高齢者が充分な判断能力を持てなくなった状況でも、その高齢者が自立し、豊かで、安心した生活を送ることができるようにと誕生した制度が、成年後見制度です。
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