Q. ボランティアをしようと思うのですが・・・・・・?
これからは何か人の役に立つことをしたいと思っています。
ボランティアをしようと思うのですが、どこに行けばいいのでしょうか。また、ボランティアにはどのような姿勢で取り組めばいいのでしょうか。
A. ボランティアとは、自分自身のために行なうものである

 友人や知人といったツテなど、人間関係でボランティアを始めるのもひとつの手ですが、そうしたものがない場合は、さまざまなボランティアセンターに問い合わせてみるのもいいでしょう。
 また、NPOでも積極的に斡旋してくれるところがあるので、問い合わせてみるのもいいでしょう。
 いずれも、ボランティアに関して、何の知識も経験もなくても大丈夫です。「何かボランティアをしたいのですが」と相談すれば、喜んで相談に乗ってくれますし、紹介もしてくれます。
 これまでの人間関係でボランティアを始めるのもいいと思いますが、こうした機関を通じて始めると、新たな人間関係が見つかり、勉強にもなります。

ボランティアの問い合わせ先
全国ボランティア活動振興センター(全社協) TEL 03−3581−4656
東京ボランティア・市民活動センター   TEL 03−3235−1171
日本シルバーボランティアズ事務局   TEL 03−3254−5735
NPOの連絡先
NPOサポートセンター TEL 03−3547−3206
シーズ=市民活動を支える制度をつくる会    TEL 03−5227−2008

 さて、ボランティア活動をするうえで大事なことは何かというと、自己完結するということです。
 何かに依存したり、委ねたり、指示がなければ動けないというのでは、ボランティアとはいえません。どこまでも自分の意志で、能動的に動くことが必要なのです。
 阪神大震災のとき、たいへんな数のボランティアが全国から集まり、日本におけるボランティアの大きな変革点となりました。
 しかし、「ボランティアをやりにきたのに、活動する場がないじゃないか」と、行政とぶつかり合う人がいました。それはボランティアではありません。
 他人に依存せず、自分で仕事を見つけて、情報を探し、計画を立て、組織が必要であれば、自分たちで組織を構築するぐらいの気構えがなければなりません。
 指示を待ったり、情報を待ったりするのではなく、すべて自己責任で能動的に動くのがボランティアなのです。そのうえで、組織の活動においては平気で組織の歯車となれることが必要です。
「あれはいやだ、これはいやだ」といっているのでは、ボランティアではなく、単なるわがままにすぎません。これでは組織活動をスムーズに行うこともできず、かえって足手まといになるだけです。

 金銭面でもそうした精神が必要です。ボランティアは当然のことながら、利益を目的としてはいませんが、活動するうえで資金が必要となることがあります。
 たとえば、遠隔地で作業をする場合には交通費も発生するでしょうが、基本的には自前です。ボランティアには「交通費をくれないのはおかしい」という発想はありません。
 清掃作業をする場合には箒が必要になっても、場合によっては、自前で用意しなければならないときもあるのです。
 このように、若干の身銭を切ることもあるので、そういうことを承知したうえで、ボランティアに取り組んでほしいと思います。そうすれば、これまでとは異なった、新たな価値ある生き方が見えてくるのではないでしょうか。
 もともとボランティアとは、自分自身のために、そして達成感を得るために行うものです。

 またボランティアは、相手があって始めて成立します。たとえば公園の清掃。公園を利用する人が「気持ちいい公園だなあ」と思わなければ、この清掃は無意味になります。
 たとえば、お年よりの手を引いて横断歩道を渡ります。その方がいなければボランティアは成立しません。もしかしたらその方は、リハビリのために独りで歩きたいところを、あなたの善意のために手を引いてもらったのかもしれません。
 ボランティア精神に「ギブ&テイク」はなく、「ギブ&ギブ」しかありません。しかも、そのギブは、相手に受け入れられ、相手にプラスにならなければ、単なる独りよがりの行為になってしまいます。
 相手の喜ぶ姿を見、充実感を得てこそ、生きがいが生まれ、喜びが生まれるのです。

 ボランティア活動をするうえでの最大の収穫は「友人」でしょう。
 ビジネス社会での人間関係と違って、何の利害関係もないうえ、人のために尽くそうという純粋な気持ちでつながり、成り立っている関係です。
 同時期に定年を迎えた者どうしであれば、何かと話もかみ合うことでしょう。
 新しい場所で新しい友人をつくるということは、定年退職した人にとって大きな財産となるので、大事につきあっていきたいものです。
 友人関係を壊すのは、驕りや傲慢です。サラリーマン時代の肩書きを表に出して、威張ったり相手を見下したりしては誰も近づいてきません。定年後は役職や肩書きもいっさい関係ありません。あるのはひとりの人間としての姿だけです。
 どこまでも謙虚に、新しい人間関係を築く努力を怠らないようにしましょう。
 私は本書で、自分らしく生きることをずっと訴えてきました。この「自分らしさ」をどうやって見つけ出すのかというと、結局は、友人なのです。友人が自分を映し出す鏡となってくれるのです。
 ボランティアは、そうした大事な友人を見つける、大きなきっかけとなるかもしれないのです。