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アクティブ博士:2003年もいよいよ始まったのう。
サイ太君:今年もどうぞよろしくお願いします。昨年はあまり明るいことのない1年でした。
アクティブ博士:そんなことはないゾ。ノーベル賞のダブル受賞やサッカー・ワールドカップの予選通過といった歴史に残るハッピーなことがあったではないか。
サイ太君:そうでしたね。ITの世界もずいぶん進み、様変わりしてきましたね。「ユビキタス社会到来」なんてドコデモ・コンピューティングの時代が幕開けしたのはまだ半年位前ですね。
アクティブ博士:その通りじゃ。ユビキタス社会とはコンピューターが無くなる社会のことじゃゾ。
サイ太君:ソッ
ソレッテ何ですか? ユビキタス社会って、コンピューターがいよいよ生活と密着する社会のことではないのですか。
アクティブ博士:コンピューターが生活のあらゆる場面に溶け込むことによって、コンピューターの姿が見えなくなるということなんじゃヨ。
サイ太君:ホッとしました。

アクティブ博士:従来は、普段の生活とは別のところでコンピューターは進化してきたが、これからは日常生活の中で、日常生活と共に進化していくことになるのじゃ。そうなるといよいよシニアの出番ということになる。
サイ太君:エッ!どうしてシニアに関係するのですか?
アクティブ博士:コンピューターを操作したり開発するような新しいことを学習したり、新しい考えに順応するような知能は若者の方が上じゃが、コンピューターを日常生活に溶け込ませるような「知恵」を働かせるような知能はシニアの方が上なんじゃ。
サイ太君:本当ですか? と、いうことは僕より博士の方が知恵があるということですか?
アクティブ博士:当たり前じゃろ。だからサイ太君はワシのところへ勉強に来るのじゃないか。
サイ太君:わかりました。でも、もう少し科学的に説明してください。
アクティブ博士:そうじゃな。これから言うことを世のシニアが聞くと、皆、元気が出るゾ。サイ太君にもお年玉代わりに話のネタをプレゼントじゃ。
サイ太君:お年玉になるかどうかは聞いてからにします。
アクティブ博士:オッ、ワシを疑っているな。

アクティブ博士:知能とは生活の中で活動するための基本的な能力であるといえるんじゃ。知能といっても様々なものがあってな、参考までに書き出してみると次のようなものがあるんじゃ。
@流動性知能 A結晶性知能 B数量的知能 C短期記憶・検索因子 D長期貯蔵からの検索の流暢さの因子 E視覚的処理因子 F聴覚的処理因子 G処理の速さの因子 H正しい決定の早さの因子
これらのうち一般知能の中核をなすものに「流動性知能」と「結晶性知能」があるんじゃ。「流動性知能」は青年期に頂点に達し、それ以後下降傾向を示すんじゃ。それにひきかえ、「結晶性知能」は老年期に至っても低下しないことがわかっておるんじゃよ。

●流動性知能とは
新しいものを学習したり、覚えたりするなど、生まれながらに持っている能力に関係する知能で動作性知能とも言われている。加齢にともなう脳の器質的障害(※参照)の影響を受けやすいと言われている。身の回りに起きた問題を解決する判断を下したり、物事、事実の関係を理解、推理するなど、情報処理と問題解決の基本的能力とされる。そしてこれは脳の神経生理学的機能に直結している。流動性知能は60歳ごろから急激に低下していくと言われている。例えば、物忘れがひどくなったとか、パソコンでは若い人にかなわない、などということは高齢期において日常茶飯事であろうが、これは正常な老化過程であると言える。
(※有機体を組織している諸器官(構造)のうえに、なんらかの損傷を受けたために生じた行動または精神面の障害。狭義には、脳髄の損傷によって生じたものをさす)
●結晶性知能とは
一般常識や判断力、理解力など過去の人生経験で習得した知識・経験をもとにして日常生活の中で対処するもので、主に言語が関係することから言語性知能ともいわれている。結晶性知能は80歳代でも高いレベルで維持している例も多く見られる。これは特定の文化に特徴的な言語や知識に適用される能力であるとされる。この能力は、その人の生活経験、教育、職業経歴などのそれまでの人生を通じて学習されたものを発揮する能力である。

サイ太君:ヘ〜ッ! 僕にも二つの知能が働いているんだ。いろいろな経験といえばシニアの人には絶対に勝てないし、知恵なんかもおじいちゃんの方が持っているから高齢になればなる程、結晶性知能が高くなることはよく分かります。反面、突然起きたことに対しての反応は僕の方が早いから、これは流動性知能が高いということで説明がつきますね。
アクティブ博士:サイ太君も理解が早くなったのう。
サイ太君:学校で習ったことを思い出しました。学習によって、なぜ知能が高まるかを。
アクティブ博士:シナプスのことかな?
サイ太君:その通りです。経験や学習によって応用能力がなぜ高まるかは、脳の中の神経細胞同士を繋ぐシナプス(神経元であるニューロン同士の接合部で、神経繊維と神経細胞が接している部分)の数が増えるからなんですよね。
アクティブ博士:そうじゃ、そうじゃ。知能は神経細胞の数ではなく、シナプスの数によって決まるんじゃ。それで。
サイ太君:赤ちゃんの脳は140億〜150億の神経細胞でできていて、これが成長と共に毎日10万個ずつ減っていくことが分かっています。80歳になる頃には赤ちゃんの頃の約五分の一の神経細胞に減っているといいます。博士が言う通り、知能とは神経細胞の数ではなくシナプスの数によって決まるんですね。
アクティブ博士:そうなんじゃ。これが結晶性知能というもので、シナプスの数そのものがこの知能を司っているんじゃ。
サイ太君:それならば、シナプスを増やせば賢くなるのですね。博士、僕だけにその増やし方をそっと教えてください。
アクティブ博士:ヨシヨシ、サイ太君だけに内緒で教えるとするか。このシナプスの数を増やすにはな、すなわち神経回路を増やし知能を高めるには、脳を使うことなんじゃ。使うたびに回路は増設されるんじゃよ。
サイ太君:脳を使うってどうすればよいのですか?
アクティブ博士:「人と話す」「好奇心を持つ」「遊ぶ」「文章を書く」「ゲームをする」等々「考える」ことならば何でも良いいんじゃ。考えれば脳を使うことになり、使うたびに間違いなくシナプスは増え知能は高まるんじゃ。
サイ太君:知能を高めるということは経験という要因に依存しているため、加齢が逆に効果をもつと考えられるのですね。例えば、文学者の創作活動が高齢になっても輝いていることが多いのは、これを証明しているのですね。
アクティブ博士:その通りじゃ。サイ太君も少しは知能が上がったかな。
サイ太君:お褒めをいただきありがとうございます。でも博士! 博士の流動性知能はほとんどありませんから、とっさのことには対処できません。だから出歩く時には車に気を付けて下さいね。怪我しても誰も面倒を見てくれませんから。
アクティブ博士:トホホ!
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